OTC薬(市販薬)であるロキソニンシリーズの違いについて③
皆さんこんばんは!若手現役薬剤師、でぃーまと申します!
薬剤師としての個人的な考えに基づき(ここは重要です)つらつらと書いてきたいと思います。
↓前回・前々回を先にお読みください。
ロキソニンS・ロキソニンSプラスについて話したので、今回はロキソニンSプレミアムについて話していきたいと思います。
・ロキソニンSプレミアム
成分:ロキソプロフェンナトリウム68.1mg(無水物として60mg)
アリルイソプロピルアセチル尿素60mg
無水カフェイン50mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム100mg
このゴールドのパッケージであるロキソニンSプレミアムはロキソニンSに3種類の成分が追加されている薬です。
アリルイソプロピルアセチル尿素は鎮静薬というもので痛み止めの効果の補助。
カフェインは痛みに(頭の血管を収縮することで片頭痛等の痛みに効きますが、それ以外にどの程度効くかはどうなのかな?と思います。)効く。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、ロキソニンSプラスに含まれていた酸化マグネシウムと同様に制酸剤で胃酸をマイルドにするのがメインで、胃の粘膜を保護する効果も併せ持っている(添付文書上は胃の粘膜保護について書かれていないので、他の胃粘膜保護の薬よりは弱いかと思います。)成分です。
まとめると全体的にロキソニンの効果を補助する成分が入っており、ロキソニンSシリーズの中で最も痛み止めの効果が高い可能性のある薬です。
・・・効果が高い可能性のある薬??
私が調べた限りなのですが、このロキソニンSとロキソニンSプレミアムを比較して、ロキソニンSプレミアムのほうが効果が高いというデータはありません!
(メーカーのHP14をみてもロキソプロフェン以外に有効成分が多く入っている。痛みによく効くと書いてはいますが、比べた表現はされていません。
※ちなみにこのロキソニンSプレミアムの処方は、病院で処方されるCMCP処方というものを模したものかと考えられます。CMCP処方はロキソプロフェン・鎮静薬・カフェイン・筋弛緩薬を合わせて飲む処方です。ロキソニンSプレミアムは鎮静薬が弱く、筋弛緩薬が入っていないので、かなり下位互換かとは思いますが・・・
そしてこのロキソニンSプレミアムに関しては重要な点が3点あります。
・鎮静薬が入ることにより眠気が現れることがあり、車の運転操作等を控える必要がある。
・成分が増えたためか1回2錠飲む必要がある。
・ロキソニンSと比べて倍程度のコストがかかる。
どうでしょうか?
ここまで聞いてロキソニンSプレミアムを飲みたいと思いましたか?
ちなみにお客様から、『ロキソニンSで効かなくてロキソニンSプレミアムに変えたらよく効くわ』という話をされたことがあります。
効果が高い可能性はあるので否定はしないですが、たまたまかプラシーボだと個人的には考えています。ロキソニンSで効かないほどの痛みなら他の成分に変更するために受診することをお勧めします。
もっといろいろ書きたいことがありますが、長くなってきたのでこの辺りで!
次回はロキソニンSシリーズのまとめを書いていきたいと思います!