若手薬剤師のつぶやき

薬について皆さんが気になることを書いていきます。

OTC薬(市販薬)であるロキソニンシリーズの違いについて②

皆さんこんばんは!若手現役薬剤師、でぃーまと申します!

 

薬剤師としての個人的な考えに基づき(ここは重要です)つらつらと書いてきたいと思います。

 

d-ma.hatenablog.com

 

前回ロキソニンSについてお話ししましたので、今回はロキソニンSプラスについて話していきたいと思います。

ロキソニンSプラス

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成分:ロキソプロフェンナトリウム68.1mg(無水物として60mg)

   酸化マグネシウム33.3mg

 

このピンクのパッケージであるロキソニンSプラスはロキソニンSに酸化マグネシウムが追加処方されています。

酸化マグネシウムとは制酸剤・緩下剤として使われる成分で、ロキソプロフェンの胃への負担を減らすとのことです。

私個人的な見解としては、ロキソニンSプラスを選ぶ必要は少ないと思います。

 

理由としてはまず、胃の負担を減らすための薬が酸化マグネシウムであるということです。前回にも話が出ていたかと思いますが、病院で処方される際、ロキソニンと合わせてレバミピド(ムコスタ)という薬が選ばれることが多いです。

 

このレバミピドは胃の粘膜を補強して胃を守る作用があります。これに対して酸化マグネシウムは胃酸という強い酸を中和することで胃の負担を減らす薬です。

ロキソニンはそのロキソニン自体が胃を攻撃してしまい、荒れにつながります。

 

上のことを踏まえると、胃を攻撃するロキソニンに対して防御するレバミピドを合わせて飲むのが効果的かと考えられます。(レバミピドのようなものを防御因子増強剤と言ったりします。)

 

ただ処方箋を見ていると、まれに酸化マグネシウムロキソニンを処方している場合があります。(ほんと稀ですが)

ここで酸化マグネシウムの添付文書をみると、制酸剤として使用する場合、1日0.5g~1gを複数回に分けて服用と書いています。仮に3回に分けるとすると、1回0.166g~0.333gということになり、最低でも1回166mg飲みたいという計算になります。

 

これに対して33.3mgは少ないように感じます。

 

どうしても胃薬を一緒に飲みたいのであれば、市販にはレバミピドの販売はないので、同効薬であるテプレノンが含まれた薬を合わせて飲むのがいいかと思います。商品名としてはセルベールがあります。

 

どうですか?ここまでの話でロキソニンSプラスを飲む必要あるのかな?と思いませんか??

ただ価格差はそこまでないかと思うので、私が説明する際はロキソニンSプラスは胃酸をマイルドにする成分が追加で入っていて、気持ち程度胃の負担を減らせます』と説明を行い、お客様自身に選んでもらっています。

 

今回本当はロキソニンプレミアムについても話すつもりでしたが、長くなったので次回、ロキソニンSプレミアムについて話したいと思います。